中学受験で成功した生徒で、非常に印象に残っている生徒がいます。
算数が大の苦手で、1学期の生徒の偏差値と志望校の偏差値を比べると15も離れていました。
第二志望の学校であっても、偏差値が10離れていました。
残念ながら、第一志望の学校は不合格となってしまいましたが、第二志望の学校に合格しました。
目標を高く設定し、見事合格した生徒の頑張りと、お母様の頑張りを見ていきましょう。
目次
徹底した情報収集
第一志望のA中学校と第二志望のB中学校は校風が似ている学校でした。
多くの学校を見た結果、志望校にしたのだと感じました。
小学5年生の頃から、お母様は学校説明会や学校見学に参加したりして、多くの学校情報を収集していました。
また、小学6年生になって志望校が決まってからも、学校説明会に参加して問題傾向などの情報を収集していました。
そのため、苦手な算数でどんな問題が出来るようにならないといけないかをお母様も知っていました。(食塩水・速さ・平面図形の3つの分野を強化する必要がありました)
学校説明会や学校見学に行くと、多くの有益な情報を得ることが出来たりします。
中学受験の場合、お子様だけで学校説明会や学校見学に行くことは難しいので、保護者の方の協力がどうしても必要となります。
関連記事【中学受験】学校説明会や学校見学のポイントと整理の仕方
第一志望校は高めの学校を
小学6年生の1学期の面談で、志望校について確認をした際、
「第一志望校はA中学校で、第二志望校はB中学校です」
と言われ驚きました。
第二志望校のA中学校は現在の偏差値より15くらい高く、第二志望校のB中学校も偏差値が10くらい高い学校だったからです。
それも両校とも人気校で倍率は非常に高い学校でした。
A中学校とB中学校以外の志望校も確認してみると、
「練習でいくつか受験はさせますが、A中学校かB中学校でなければ通わせません」
とのことでした。
ここから算数の特訓が始まりました。
とにかく算数が苦手だったため、小学5年生の復習をする必要があります。
しかし、小学6年生の内容が毎週進むため、夏期講習まで小学5年生の復習をする時間は取れませんでした。
小学6年生の2学期以降も算数の勉強を中心に行い、過去問の解説も算数に特化する形をとりました。
1月に受験した練習校2校のうち、1校目は合格、2校目は不合格という結果になってしまいました。
第二志望のB中学校の受験が先にあり、合格。
第一志望のA中学校は不合格。
しかし、お母様も生徒本人も大喜びしてくれました。
というのも、1学期の成績より偏差値で10高い学校に合格することが出来たからです。
お母様から、
「第一志望のA中学校は厳しいと思っていましたが、第二志望のB中学校に合格出来ただけでも良かったです」と言ってもらうことが出来ました。
もし、最初からB中学校を目標にしていたら、届かなかったと思います。
あえて一段高い学校を目標にしたお母様の狙いが成功したのだと思います。
志望校の変更を考えても
入試1ヶ月前の1月、どうしても算数の成績が伸びてこないため、志望校の相談にお母様が来塾されました。
今から志望校を変更することは、リスクが大きいことをしっかりと伝えました。
「では、受験校の追加でしたらどうでしょうか?」
お母様の考えでは、万が一、押さえの学校に不合格になったら本番が厳しいのではないかということでした。
しかし、押さえの学校は偏差値で見ると十分合格が取れると思われました。
また、押さえの学校の過去問の出来は算数も悪くありません。
そこで、
「受験校を追加すると、第一志望校の過去問対策が不十分になってしまいます」
と伝えたところ、当初の予定通りの受験パターンを了承してくれました。
不安な気持ちになってしまうこともあると思いますが、お子様の前ではその姿を見せず、しっかり考えてくれたことに感謝しました。
過去問研究の徹底
練習校も含め、過去問の管理は全てお母様がしていました。
いつどの学校のどの科目をやるかを決め、予定通りに進めていました。
また、直しが終わったものと、終わってないものとに分け、いつ質問するかまで計画されていました。
そのため、生徒本人はとにかく問題の傾向や解き方を覚えることに専念することが出来ました。
クリアファイルにしっかりまとめてあり、すぐ確認出来るようにセットされていたのも良かったと思います。
過去問を解いていくうちに、どうしても解けない問題がいくつか出てきました。
「全部の問題を解けるようにしないと!」
という保護者の方も中にはいます。
学校のテストであれば、もちろんそのとおりだと思います。
しかし、入試問題の中には非常に難解で時間がかかってしまう問題が含まれていることがあります。
受験に合格するために必要な問題と、そうでない問題とに分けて考えることが重要だと思います。
その点、
「うちの子に解ける問題だけを解説して下さい」
と割り切ってもらうことが出来たのも受験に合格したポイントだと思います。
生徒本人も「出来なくてもいいんだ」と気が楽になったことでしょう。
もちろん、合格点に届くレベルまでは頑張らないといけないのは言うまでもありません。
まとめ
あえて高い学校を目標にすることで、勉強させるということは塾でも行っています。
ただ目標を設定しても上手くはいきません。
絶対に届かないと生徒が思ってしまうと、逆にモチベーションが下がってしまいます。
そこで、過去問を解いた後で、あと何問合っていれば合格点まで届くかなどを具体的に伝えることが大切です。
その際、難解な問題が出来なくても合格点に届く方法を見つけてあげ、気持ちを楽にさせてあげることが大切です。
また、頑張れば届くといった前向きな気持ちになってもらえるようアドバイスを与えることも効果があります。
中学受験に成功するために、情報収集をしっかり行い、志望校選びを徹底することを保護者の方は頑張ってあげるようにして下さい。
家族一丸となって中学受験に臨むことで、良い経験を積むことが出来ると思います。
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