【第2回】印象に残っている生徒/字が汚かったSくん

印象に残っている生徒

中学受験に失敗してしまったSくんの話になります。

厳しい受験結果になってしまった理由も書いています。

  1. 字が汚かった
  2. 勉強に偏りがあった
  3. 直前に受験校を変えた

上記のことが厳しい結果になった理由だと考えています。

もちろん指導している中で注意をしたり、お母様に伝えたりしていました。

しかし、改善されることは最後までありませんでした。

そんなSくんが塾に来た日のことから書いていきたいと思います。

初めてSくんの字を見た日

初めて見た日

Sくんが初めて塾に来たのは小学5年生の4月でした。

中学受験コースは2月スタートのため、2ヶ月遅れのスタートになります。

入塾テストの答案用紙を見て、まずびっくりしました。

とにかく字が汚いのです。

男の子で字が汚い生徒は多くいますが、今まで見たことがないほど汚かったです。

また、消しゴムで消した後が残っているので、とにかく読みにくかったのを覚えています。

入塾テストの結果は、算数50点台、国語40点台でした。

個別指導を希望していたので、合格となり4月から通うこととなりました。

まず字を丁寧に書くことから指導しましたが、なかなか改善されません。

特に漢字が汚く、国語の記述問題では絶対に減点がくるレベルでした。

誤字脱字も多いので、国語の記述問題では満点が取れませんでした。

毎回の授業で字を丁寧に書くように指導していましたが、結局最後まで直ることはありませんでした。

算数の成績はUP

宿題の確認

Sくんの算数は小学5年生の時と比べ、だいぶ上がってきました。

偏差値で見ると48から58くらいまで上がりました。

もともと国語よりも算数が好きだったこともあり、勉強時間の多くを算数にあてていたからという理由もあります。

算数にも一つ問題点があり、計算ミスが非常に多いということです。

特にテストになると、計算の途中式を書かなかったり、数字を雑に書いているため写し間違いがあったりします。

また、少し複雑な計算や問題が出ると、すぐ諦めてしまうという悪い癖がありました。

さらに諦めて出来なかった問題の直しをしないので、ずっと出来るようにはなりませんでした。

6年生の2学期になり、過去問を解いていても計算ミス、諦めが早いという悪い癖は治りませんでした。

国語の成績はUPせず

国語の成績

もともと国語が嫌いだったこともあり、なかなか成績が上がりませんでした。

問題点は、やはり字が汚かったことです。

漢字の止め・ハネのレベルではなく、形が崩れてしまっているので、覚えていたとしてもバツになることが多々ありました。

また、書き抜きの問題であっても誤字脱字があるので、場所が合っていてもバツになることが多々ありました。

記述問題でも同じで、誤字脱字があり◯になるところが△になってしまうことが多々ありました。

点数が伸びなかったこともあり、最後まで国語は嫌いなままでした。

嫌い→勉強しない→成績が上がらない

という悪い流れが出来てしまい、Sくんは悪い流れから抜け出すことが出来ないまま受験を迎えることになってしまいました。

受験の結果

受験の結果

1月の試し受験から始める予定だったSくんの受験は、お母様の意見でがらっと変わってしまいました。

「過去問が終わらないので1月の受験はやめます」

「え?」という感じでした。

11月の面談で1月中に試し受験をする学校まで決めていたのですが、急な変更です。

Sくんには本命校の受験の前に、試験の雰囲気を感じておいて欲しかったのですが、いきなりの受験が2月1日になってしまいました。

緊張するのではないかという不安もありましたが、それ以上に字が汚くマイナスになってしまうのではないかという不安がありました。

事前に試し受験をし、合格を取っておけば緊張は少なくなると考えていました。

また、もし不合格になってしまった場合でも、字を丁寧に書くことの重要性を理解してもらえるだろうと考えていました。

その試し受験の機会がないことはSくんに取って大きなマイナスになってしまいました。

何度もお母様と話し合いをし、説得したのですが、結局1月中の受験は受けないことになりました。

2月1日、本命校の受験。

結果は翌日発表だったため、試験後に出来具合だけを確認しました。

Sくんいわく、「普通に出来ました」とのことです。

大きく落ち込んでいる様子もないので、少し安心しました。

2月2日の受験が終わり、2校の合格発表を待ちます。

2月2日に受験した学校は当日発表でした。

夜、Sくんのお母様から連絡ありました。

「2校とも駄目でした」

厳しい結果となってしまいました。

Sくんは相当ショックで電話に出たくないとのこと。

翌日も受験があるので、ゆっくり休むよう伝えてもらうことしか出来ませんでした。

2月3日の受験校も当日発表です。

夜、Sくんのお母様から連絡ありました。

「駄目でした」

もともと2月3日で受験を終わりにする予定でしたが、急遽2月4日、5日も受験するとのこと。

精神的にも体力的にも厳しい受験となってしまいました。

最終的な結果ですが、Sくんは受験した全ての学校が不合格となってしまいました。

4日、5日はだいぶレベルを下げたのですが、それでも合格することが出来ませんでした。

まとめ

中学受験に合格する生徒は、受験を自分のこととして考えることが出来るお子様です。

そのため、悪かった点は改善していく必要があると自分で考え、行動に移すことが大切です。

Sくんの場合、字の汚さ、勉強の偏りを最後まで直すことが出来ませんでした。

個別指導でしたので、授業ごとに注意をしたり、宿題の調整・管理をしていましたが、直ることはありませんでした。

お母様にも、問題点として何度も伝えていましたが、それほど重大なこととして捉えてもらうことが出来ませんでした。

お母様からの連絡を「過去問の算数で80点でした」「子供が算数の質問があると言っています」といったように、算数中心でした。

受験に合格するためには、合計点が重要となってくることを何度も伝えていたのですが。

男子の場合、高校生くらいになると字が丁寧になっていく人が多くいます。

受験が終わった後、Sくんと会う機会はありませんでした。

字が丁寧になったSくんに会える機会があれば良いのですが。

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